「神宿る島」という見るからに神聖な場所であると想像するに難くない世界遺産、沖ノ島。どのような場所で、どんな歴史があるのか、皆さんはご存知でしょうか。
正式名称は、『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』です。正式名称は長いので、この記事では「沖ノ島」と統一させていただきますが、この世界遺産は沖ノ島、そして大島と九州に位置する関連遺産合わせて5つで構成されています。
今回はそんな沖ノ島の歴史や特徴、世界遺産に登録された理由についてまとめていきます。
★沖ノ島の歴史や特徴に迫る!「神宿る島」と呼ばれたきっかけとは
まずは沖ノ島の歴史や特徴をカンタンにまとめていきます。
謎に包まれたミステリアスな世界遺産、沖ノ島には、どんな深い歴史があるのか見ていきましょう。
・「神宿る島」と呼ばれたきっかけと沖ノ島の奉献品
沖ノ島は、周囲がだいたい4km程度の小さな島ですが、古代の祭祀の移り変わりがこの小さな島一つでわかるという大変珍しく、貴重な資産なのです。
そんな沖ノ島は「神宿る島」と呼ばれていますが、そう呼ばれ始めたのには理由があります。
当時東アジアへの航海を行っていた日本ですが、航海は命懸けな危険なものです。そこで、無事に航海を終えることができるよう、神に祈りを捧げるようになります。
その祭祀の場として選ばれたのが、沖ノ島でした。
これが、「神宿る島」と呼ばれるようになったきっかけです。それでは、どうして沖ノ島で祭祀が行われるようになったのでしょうか。
その理由は非常に単純で、航海の起点である「畿内」から、目的地である「朝鮮半島」までの最短ルート上に沖ノ島があったのです。
沖ノ島には、奉献品が10万点以上も遺されています。それらのうちなんと8万点が国宝に指定されており、その中でも東アジアとの交易の証拠となる出土品が、金製の指輪でした。
非常に細かく精密に造られたそれは、朝鮮半島でも似たようなものが発掘されたそうです。
これは、シルクロードを通って日本に伝わったと考えられ、このことから東アジアとの交易が盛んであったことがわかります。
・沖ノ島の禁忌
沖ノ島には、古来から立ち入った者は木や草、石などわずかでも持ち出してはならないという厳しい決まりごとがありました。
それが現在まで守られ続け、太古からの歴史を形を変えることなく残ることとなったのです。
その決まりごとは現在でも続いており、また沖ノ島には原則上陸できない決まりとなっています。宗像大社の私有地のため、無断で立ち入った場合、法によって裁かれる可能性も。
神職が常駐し、監視カメラも設置されているそうです。
女人禁制であることや、島で見聞きした出来事を他言してはならないという決まりもあるなど、沖ノ島はずいぶんと厳重な決まり事で固められているようです。
それは現在でも続いており、それを貫くことで古い歴史と文化を守り続けているのです。
★沖ノ島が世界遺産に登録された理由
「神宿る島」と呼ばれる沖ノ島は、残念ながら現地に足を運び観光できるスポットではありません。非常に厳しい掟で守られた沖ノ島が、世界的にその情報が発信されてしまう世界遺産に登録された理由とは一体何なのでしょうか。
登録された理由とどんな評価をされたのかについて、カンタンにまとめていきます。
・沖ノ島が世界遺産に登録された理由とその評価
沖ノ島は、航海の安全祈願の信仰が古来から現在まで途切れることなく続いているという点が価値が高いと評価され、世界遺産に登録されました。
また、航海の安全祈願という分野が現在登録されている世界遺産の中に少なかったことや、信者すら立ち入りを許されていないという全面的に立ち入り禁止だという部分についても他に類を見ない遺産であると判断されているそうです。
★まとめ
いかがでしたか。沖ノ島は原則立ち入りを許可されていなかったり、島での出来事を他言してはいけなかったり、島のものは石ころ1つでさえ持ち出してはいけないなど、厳しい掟で守られ続けています。
このことから、古来から信仰の対象とされ、非常に神聖な場所としてきたことがうかがえます。
立ち入ることができないため、その神聖な雰囲気や古い歴史の数々を直接肌で感じられないことは残念ですが、これからも神聖な場所としてその深い歴史と神聖な場所としての威厳を守り続けていかなければならないと考えさせられる世界遺産ですね。
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